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SAGA HIRAKAWAYA

佐嘉平川屋について

2023.07.05

人手不足の問題

こんにちは。
佐嘉平川屋代表の平川です。
振り返ってみると、前回書いたのはお正月。
あれから半年も経ったのですね。時の経つのは早いものです。
今回は当社でも問題になっていた人手不足の問題について書いてみたいと思います。


人手不足の要因

人手不足については、以前より頭を悩ませてきたところです。
その要因については色々ありますが、まずは豆腐屋特有の労働環境によるもの、そして当社のビジネスモデルによるものがあります。

①豆腐屋特有の労働環境によるものについて(あくまで一般論です)。

皆さんのイメージの通り、豆腐屋は朝が早いです。一般的な会社員と違い9時ごろに出社して夕方帰るというわけにはいきません。まだ外が暗いうちから仕事を始めるということが今だに行われています。それに30kgの袋に入った大豆を扱うので力仕事もありますし、大豆を釜で煮るので夏の工場は非常に暑かったりします。大量の水を扱うので湿度も高いんですよね。おまけに豆腐は日持ちがしないため作りだめができず、結果日々生産が必要で、休みを取りづらっかたりします。ましてや連休なんて、、みたいな環境です。その上、お豆腐自体の単価も低いため利益を上げづらくて、十分な待遇をしてあげられない。環境を改善している豆腐屋は増えてきているとはいえ、イメージは刷り込まれているので、普通は豆腐屋で働くという選択肢はなかなか取りづらいんだと思います。実際私自身も昔は豆腐屋にだけはなりたくないと思っていました笑。そんな感じですので、求人に対して応募が少なく、人手不足に陥りやすいんだと思います。

②当社のビジネスモデルによるもの。

当社は、通販、特に歳暮期の需要を収益の柱としているため、季節変動が非常に大きいのが特徴です(今でも繁忙期と閑散期とでは売上は3倍近く違います)。製造業で利益を出す鉄則は製造量を平準化することですが、うちは真逆です。以前より、夏は暇で、冬は非常に忙しくしています。そんな状況なので、冬に合わせて常時雇用のスタッフを採用すると、暇な夏場は大赤字になってしまいます。このため夏場に大赤字にならない程度に採用し、冬場はみんなで全力で長時間がんばる、みたいなことをやっていました(一応過去形です)。今思えば冬場はブラック企業そのものでしたね。。なので、採用してもすぐに辞めてしまうことになり、当然ながら常に人手不足感はありました。

 


工場増設による生産性の向上

そんな状況の中、2018年に工場を倍以上の規模に増設しました。それによって労働環境が大幅に改善されるとともに、機械設備の導入により劇的に生産性が向上しました。生産性が上がったことにより、残業は減り休みも以前と比べれば随分と取りやすくなったため、この頃からスタッフの定着率も非常に良くなりました。当時の工場では、30代前半から中盤のスタッフが中心になっていたかと思います。

体制が整いこれからまた頑張ろう、としていましたが、そこから数年間は、ドラッグストアの台頭による流通環境の変化(要は卸先のスーパーでお豆腐が以前ほど売れなくなった)、2度の水害による工場の稼働停止、そしてコロナの蔓延など複数の要因が重なって、お豆腐の生産量自体は大幅に増えることはありませんでした。

それが昨年2022年9月の武雄温泉本店のオープンによって認知度が上がったことやコロナが収束する兆しが見えたせいか、卸、通販、店舗の需要が一気に増え、お豆腐の生産量が急に増加しました。

 


晴天の霹靂

生産量の増加に対応するため、スタッフの募集をかけましたが、残念ながらなかなか応募がありませんでした。それまでの数年間は生産性の向上がどんどん進んだために特に人を採用する必要がなかったのですが、必要に迫られ募集をかけると全然応募がなかったのです。話には聞いていましたが、ここ数年間で労働市場が大きく変わっていることに今更ながらに実感しました。

そんな中、最も忙しい12月に工場の中心となっていたスタッフの一人から退職届を受け取ることになります。晴天の霹靂でした。40歳を前に新しい人生を歩みたいとのことでした。私も前職を辞めた人間なので、その気持ちは分かります。一方で、どうやって工場を回していけばいいか相当悩みました。製造業である以上、工場が稼働できないのは致命的です。会社を後にする彼が優秀であったがゆえに依存しすぎていたのです。まずはスタッフの負担を減らすしかない、ということで、現場に負担をかける商品をやめ、需要を減らし、あとはとにかく人を採用しようとしました。

 


多くの方が仲間に

現場に負担をかけている商品は分かっていたので取引先に事情を説明しながら終売をお願いし、原材料費等が相当上がっていたので値上げ(結果として需要が減り現場の負担が軽くなる)をお願いし、人を採用するために、スタッフ全員の待遇を改善した上で採用の条件も見直し、知り合いの採用のスペシャリストにお願いして採用活動を手伝ってもらいました。

これまで求人を出しても全く応募がなかっただけに、しばらくは、本当に採用できるのか不安しかありませんでしたが、蓋を開けてみれば、半年の間にパートの方を含め20人以上の素晴らしい方々に入社頂きました(写真は歓迎会の様子。シャイな方々もいらっしゃるので一部の人しか写っていませんが)。年齢層はバラバラですが、20代〜30代を中心に採用する事ができました。社名変更や武雄温泉本店のオープンに伴うメディアでの露出も大きく貢献しているように思います。人手不足と言われるこのご時世に本当にありがたい話です。スタッフが増えたことで、既存のスタッフの気持ちも随分楽になったと思います。

また、退職したスタッフの穴を埋めるために、社名変更のタイミングで既存スタッフ数名を昇進させ役割分担を見直しました。こちらの方もみんなが頑張ってくれたおかげで十分に穴を埋めることができ、スタッフの成長にも繋げることができました。

 


今回の経験を通じて

今回はどうにかたくさんのスタッフを採用することができ一旦はホッとしていますが、これから先、労働人口が減っていくことは間違いのない事実で、スタッフの確保はこれからさらに難しくなっていくでしょう。

そんな中でスタッフを確保し続けるためには、より良い労働環境を作り、待遇を改善し、やりがいと誇りを持ってもらえるようにしていくしかありません。

具体的にいうと、豆腐屋特有の朝の早さや力仕事などを無くしていかなければなりませんし、夏場の暑い環境も改善していかなければなりません。もちろん、生活していく上で十分な収入も必要です。そのためには機械に任せられるところは機械化するなどして更に生産性を高め、会社の収益性を高めていく必要があります。そして何よりも、やりがいと誇りを持ってもらえるように会社のビジョンの実現にも取り組んでいかなければなりません。

スタッフを確保できずに苦しんでいる豆腐屋はたくさんあるように聞いています。スタッフが高齢化しているにも関わらず若いスタッフが入ってこなくて廃業したところ、労働問題が発生して工場を動かすことができなくなり身売りしたところ、日々の現場スタッフが確保できずに大量欠品して大きなニュースになったところなど、昔はなかったような問題があちこちで発生しています。日本人スタッフが採用できないので、外国人労働者に頼らざるを得ないところもかなり多いと聞いています。しかしながら、今まで発展途上国と言われていた国も急速に経済力をつけ、近い将来海外から日本に働きに来る人もかなり限られてくるでしょう。結局は、一時凌ぎ的に外国人労働者に頼るのではなく働く職場として魅力あるようにしていくしかないんだと思います。

次世代に豆腐文化を繋げていくためには技術の継承が必須。そのためには若い人の採用力と定着してもらえるような職場環境が必要。

これまでの豆腐屋にはなかったような魅力ある職場づくりに取り組んでいきたいと思っています。

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