MENU

ONLINE SHOP

オンラインショップへ

SAGA HIRAKAWAYA

2024.01.04

2023年の総括と2024年の抱負について

新年明けましておめでとうございます。
佐嘉平川屋代表の平川です。

お正月早々、能登半島で地震が起こったり、その支援活動をしていた海上保安庁と日本航空の飛行機が衝突したりと悲しい出来事が立て続けに発生し、居た堪れない気持ちになっています。随分と昔の話ですが私は前職が国土交通省になる前の運輸省で、港湾局では新潟のトンネルの耐震設計に携わり、航空局では羽田空港にも関わっていました。どちらも関係していただけになんとも言えない複雑な心境です。
被害が最小限に抑えられ、1日も早い復興を願うばかりです。


2023年について

一昨年の2022年9月に武雄温泉本店をオープンし、そのことを多くのメディアで取り上げていただきました。それが、武雄温泉本店だけでなく嬉野店や通販、さらには卸にまで波及し、売上的にはかつてないほど絶好調だったのですが、その一方で必要な人員が確保できない事態となり、製造現場に大きなストレスを与ることとなって2022年12月初めに製造の要であったスタッフから退職届を受け取ることとなりました。まさに青天の霹靂でした。
豆腐屋なのに豆腐を作れない私にとっては、製造のノウハウを持ったスタッフが抜けることは致命的で、しかも製造の要が抜けることによって残ったスタッフの負担が増え、離職の連鎖に発展する可能性も大いにありました。それはメーカーなのに商品を作れない事態になるかもしれないという非常に厳しい状況で、2022年の年末は猛烈に危機感を感じていました。
そんな中で2023年がスタートしたわけですが、とにかく製造を安定させるために、負担になっていた商品を取引先に無理を言って最短で終売とさせてもらい、待遇の見直しと労働環境の整備、生産性向上のための設備投資、採用の専門家への協力要請、コストアップへの対応と同時に需要を減らすための値上げを行うなど考えうる全てのことを行いました。その結果、離職者が増えることもなく、これまで応募が来なかったことが嘘のように多くのスタッフを採用することができました。新規採用者も大部分が定着してくれたおかげで、2023年の年末には年始の状況からは考えられないような非常に安定した体制を作ることができました。2023年1月に社名を有限会社平川食品工業から株式会社佐嘉平川屋に変更したことや、店舗を作ったことにより認知が向上したことも大きかったと感じています。
需要が減ることも想定していた値上げについては、結果的には需要は減らず収益性が高まる形となり、B to Cのウェイトが高まったことと合わせて利益率が劇的に高まりました。来年はこの分をスタッフに還元することによって定着率の向上と更なる採用力の強化を図るとともに、生産性向上につながる投資などに繋げていければと考えています。
メディアについては、体制づくりに苦しんでいた中でしたが2023年の年明け早々から相変わらず多くの媒体で取り上げていただくことができました。これまでは通販商品や店舗を主体に取り上げてもらっていましたが、企業としても紹介いただく機会が随分と増えてきました。この辺りは大きな変化で、単に物珍しい商品や人気店の紹介という枠にとどまらず、これまで積み上げてきたビジネスモデルにも注目してもらえるようになってきたと感じています。
総括すると、2023年の始まりは本当に苦しい状況だったのですが、2023年の終わりにはかつてないほどしっかりとした体制ができ、非常にいい状態で年末を迎えることができました。


2024年について

今年については、スタッフの負担を軽くするための生産性向上に資する設備投資をすでにいくつか進めていますが、攻めについては海外への展開をそろそろ始めようかと考えています。以前から台湾の春水堂(タピオカミルクティー発祥のお店)をいいモデルケースだと考えており、台湾で人気の春水堂を大好きな日本人が、春水堂の社長を口説き落として日本に春水堂を持ってきたということがあります。以前よりその逆ができないかと思っていたので、まずは日本できっちりとブランド化することが必要でそのために武雄温泉本店を作ったという経緯があります。その甲斐あって、思ったより早い段階ではありましたが、海外で展開したいとお話をいただき、現在検討している段階です。ハードルは決して低くはありませんが、東南アジアへ温泉湯豆腐など佐賀の豆腐文化を広めていくことはどうしてもやりたいことの一つであり、今年、実現に向けて一歩を踏み出せればと思っています。台湾の豆花(トーファー)や鹹豆漿(シェントウジャン)が日本で人気になっているように温泉湯豆腐や豆乳もちなども海外で受け入れないことはないと考えています。
東南アジアの食文化に影響を与えることができれば、こんなに嬉しいことはなく、新しい文化づくりに取り組んでいきたいところです。
もちろん、国内での店舗出店や佐賀での当社の世界観の強化も視野に入っていますので、早いうちに優先順位を決めていければと思っています。


最後に

みなさんご承知の通り、これから日本の人口はすごい勢いで減っていきます。当然ながら需要も減っていくことになります。しかしながら人口が減る以上に減るペースが早いのは労働の中核的な担い手である生産年齢人口です。人口よりも生産年齢人口が減るペースが早いということは、生産性が高まらない限り、需要の減り以上に供給が減るということ。働き手がいないためにこれまでのように十分に物やサービスが提供できないということです。最近は地方でタクシーがなかなか捕まらないというのがいい例でしょう。こうならないようにするためにはどうすればいいか。みなさんが働きたくなるような魅力のある会社にするしかありません。その魅力とは働きがいだったり、待遇だったり、労働環境だったり。そのような環境を整えるためにはまずはきちんと十分な収益を上げていかないといけません。
残念ながら、豆腐屋というのはスーパーに依存していたがために、販売価格を抑えられ、なかなか収益を上げづらい体質になり、結果、働きたくなるような魅力的な環境を作ることができていなかったと思います(あくまで一般論です)。
私たちは、スーパーに依存しない体質の会社を作ることによって、きっちりと収益をあげ、働きたくなるよう魅力的な環境を作って、サステナブルな豆腐屋を作っていきたいと考えています。

最新の記事