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SAGA HIRAKAWAYA

佐嘉平川屋について

2022.05.25

フレキシタリアン、リデュースタリアンってご存知ですか?

こんにちは。
佐嘉平川屋代表の平川です。

突然ですが、フレキシタリアンやリデュースタリアンという言葉、聞かれたことありますでしょうか?
私も「初めての動物倫理学」という本を最近読んで知った言葉です。
フレキシタリアンというのは、主にプラントベースの食品を食べ、お肉や乳製品、卵など動物性のものを時々食べる程度の人、リデュースタリアンというのは動物性のものを徐々に減らす人、という意味とのことです。

一方で、ヴィーガンについては聞かれたことがあると思いますが、肉や乳製品、卵など動物性のものを一切とらない人たちです。
コロナ前にニューヨークにいく機会があったのですが、その時、ヴィーガンの人がものすごい勢いで増えていることを実感しました。
ヴィーガンになるのは、動物愛護の観点(食肉になる動物の多くが、経済性の観点から劣悪な環境で育てられた上で殺められたり、乳製品や卵についても貢献できないオスはかわいそうなやり方で処分されること等に対する問題意識)や、地球環境の観点(牛などが出すゲップに含まれるメタンガスが温暖化に影響していること、畜産業そのものが大量の土地、水、飼料などが必要で環境負荷が高いこと等に対する問題意識)などが理由と言われています(もちろん、健康上や宗教上の観点からヴィーガンを選択されている方もいらっしゃいます)。

ヴィーガンになるべきなのだろうか。

私はお肉が好きですが、とはいえ私の食事のために動物が殺されるというのは非常に心が痛みます。それに、後世の人たちのためにも地球環境を少しでもいい方向に持っていくのは我々世代の責務だと思っています。それに加え、植物性タンパクを提供する豆腐屋という立場も考えると、ヴィーガンにならなければいけないのではないか、とこの数年悶々と考えていました。どちらかというと義務的な感じかもしれません。

ですが、違和感も少なからずあって、現実にはお肉を一切食べないほどストイックにはなれませんし、ましてや乳製品も卵も一切取らないということであれば、食の楽しみを奪われるようでとても耐え難いように思います。それに、日本の食の環境を考えれば一切動物性のものを取らないというのは現実的ではありません。直接お肉や乳製品、卵などをとらなくても、調味料や加工食品には出汁として動物性のものが使われていたり、原材料として乳製品や卵などが使われている食品も多いからです。

そんなモヤモヤ感がずっとあったのですが、そんな時に出会ったのが、フレキシタリアン、リデュースタリアンという概念です。
1か0かとストイックに縛るのではなく、できる範囲で徐々に動物性を減らすという考え方は、極めて現実的で自分でも無理なくできるのではないかと感じます。
それに少数の方がヴィーガンになるよりも、少しずつでも多くの方が肉、乳製品、卵の摂取量を減らすことの方が、より効果的なのではないでしょうか。

少しずつでも始めよう

これは一個人だけでなく、会社としてもそうではないかと感じました。
もちろん、お豆腐は完全に植物性ではありますが、例えば温泉湯豆腐の胡麻だれなどタレ類にはかつおだしなど動物性のものが一部含まれています。これらの商品の出汁を植物性に変えることはこれまでの試行錯誤で可能なところまできています。ですが、店舗で出している豆乳ソフトなどは自家製の豆乳も使っていますが一部に乳を使っており、現時点では乳を全く使わないのは難しい状況です。
ですので、「私たちは全ての商品を植物性原料で作ります!」と声高に宣言できるわけではありません。ですが、少しでも動物を殺めないでいいように、少しでも環境が良くなるように、ということであれば、フレキシタリアンやリデュースタリアンのように「私たちはできる限り植物性の原料を使うようにしていきます!」「私たちは動物性の原料を徐々に減らしていきます!」とは宣言して実行できるのではないかと思います。

個人としても会社としても、「いきなりヴィーガンになります」とか、「全ての商品を植物性原料で作ります」とか宣言するのは、ものすごくハードルが高く、少なくとも私や当社にとっては現実的ではありませんが、フレキシタリアンやリデュースタリアンのような考え方であれば、「できるところから少しずつでも始めます」と最初の一歩を踏み出しやすいのではないかと思います。そうやって多くの方々がそういう取り組みを始めることが、重要であり効果的なのだと思っています。

決して肉や乳製品、卵など動物性のものを摂ることを否定するものではありません。
ですが、自分や会社ができる範囲で少しずつでも取り組むことによって、ちょっとずつでも世の中がいい方向に向かってくれればいいなと思っています。
特に豆腐屋である私たちが最も世の中に貢献できるところは、こういうところだと思うので、一歩ずつ進めていきたいと思います。

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