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SAGA HIRAKAWAYA
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お豆腐づくり
2021.09.08
こんにちは。佐嘉平川屋代表の平川です。
お豆腐を作る上で美味しいお豆腐に仕上げることはもちろん重要ですが、お豆腐を作る過程で出てくる排水やおからなどを適切に処理することは、それ以上に重要です。一般の方にはあまり知られていないと思うのですが、お豆腐屋さんは程度の差はあれ、この部分に少なからず苦労していたりします。今回、その部分についてお話ししたいと思います。
まず排水について。多くお方がご存知かとは思いますが、お豆腐作りにはたくさんのお水を使います。大豆の浸漬するときのお水、すり潰した大豆に加えるお水、蒸気を作るためのお水、冷却のための水槽のお水、清掃・洗浄のためのお水。お豆腐自体に含まれるお水もありますが、排水になるお水も多い。排水になるお水には、洗浄・殺菌のために使った薬品も含まれていますので、そのまま川に流すことは許されません。そういう排水を綺麗にすることが義務付けられています。そのため、多くのお豆腐屋さんが排水処理施設(小さな下水道処理施設のようなもの)を有しており、その排水処理施設で微生物の力を使って排水を綺麗にした上で、お水を自然に返しています。うちにもそういう排水処理施設があり、先日の水害ではその施設が浸水し、修理までに時間がかかって苦労しました。お豆腐を作る上での欠かすことの出来ない重要な施設であることを改めて感じた次第です。
それから皆さんがご存知のおから。大豆から豆乳を作るときにできる絞りカスのことです。お豆腐を作るときにできるおからが全て食用として販売できればいいのですが、どう頑張ってもお豆腐に比べるとおからの販売量はわずか。なんらかの形で処理することが必要です。おからは、最高裁判所の判断として、どんなに栄養価が高くても産業廃棄物の扱い。産業廃棄物として処理するのはコスト的にも厳しいですが環境的にもよろしくないので、うちでは自社の設備を設けて堆肥化しています(写真が堆肥化設備)。実はおからだけでなく、排水を処理をする上でどうしても出てくる脱水汚泥というものや、割れたり欠けたりしたお豆腐、賞味期限的に普通に出荷できないお豆腐(いわゆる食品ロスというもの)も堆肥化しています。そういうお豆腐は、アウトレットで販売したり、そもそも割れ欠けが発生しないように製造技術の向上に努めたり、製造数量を調整しながら極力食品ロスにならないようにしています。
いずれにしてもこの辺りの話は一般にはなかなか出てこない話ですが、食品製造に携わるものとして、作る過程で出た副産物はきちんとした形で自然に返し環境に優しくありたい、そんな風に思っています。